2007.11.24
団地めぐり ---川崎市営小向団地(51C型)---
団地めぐり、今回は51C型の住宅の話題として、川崎市営小向団地。
建設年度:昭和27年(1952年)
2007年8月撮影
川崎市営住宅、東芝科学館の近くにあります。
昭和20年代の住棟が残っている数少ない団地です。
ちなみに「五一C白書」という本によると、この小向団地は51C型の追跡調査が行われた団地でもあり、まさに現存する51C型の代表格とも言える存在だと思う。

この団地のハイライトは51C型の住棟で統一されていること。
階数は3階建てと4階建てが混在し、南側の住棟が3階建て。

この団地では給水塔が各住棟に載っています。また、今まで色々な51C型と思われる住棟を見てきましたが、この団地の住棟は最上階から屋上までの壁が厚いことと、バルコニー側のダストシュート臭気抜きが屋上まで上がっていない所が気になる特徴で、やや頭が重い印象を受けました。

4階建ての住棟。51C型の見本となる構造ですが、アルミ製の窓サッシやプレス抜きのバルコニーの手すりにオリジナルではない部分が見受けられる模様。
このあたりは時代の流れで仕方ないところ。

3階建て住棟の北面。階段室の窓割りにも色々なバリエーションがあるみたいです。
このような正面からの立面写真は、模型化にも役に立つ資料です。
写真を見て気づきましたが、階段室から屋上へ出る扉は、横にあるのですね。
このように、改めて写真をみるとまた新たな発見があります。

4階建て住棟は、このように並んでいます。

中央の広場にジャングルジムとブランコがありました。ジャングルジムは曲線が目立つ旧き良き時代の製造品です。
この団地、建築史的にも意義のある団地だと思いました。
以上、川崎市営小向団地でした。